2013年8月9日金曜日

「ロボット工学が教えてくれるイノベーション」 ダイアログ ~ご報告




731日、チューリッヒ大学教授 ロルフ・ファイファー氏 をお迎えし、身体知とこれからの組織について、ダイアログを行いました。




教授はチューリッヒ大学 人工知能ラボのディレクターで、コンピュータサイエンスの権威です。
その研究範囲は幅広く、教授の著書 ”How the Body Shapes the Way We Think”(翻訳版「知能の原理」)にある ”Building Intelligent Companies”(知的な企業の創設)という節から着想を得て、今回のダイアログが企画されました。


 “Trend in Robotics, Embodied Cognitive Science and its Application to Management Science”

(ロボット工学トレンド、身体認知科学と経営への適用について)


★  これからロボットに求められるのは、現実世界に対応できることである。工場などの人工的で予測可能な環境に比べ、予測がしづらく不確実な環境である。変化する環境に対応するバランスのとれた動きが必要になる。

★  ロボットの実験では、使用するプログラムがすべて同じでも、体を構成する部品の形や素材によって、全く違う動きが表現される。人間が歩くために必要な情報は、頭だけでなく筋肉や関節など体全体で覚えている。
★  ロボットの動きを自然でバランスのとれたものにするためには、頭(コントロール)、体(形や素材)、環境への対応、のすべてに動きが分配されている必要がある。頭で動的に制御するだけでなく、体の持つ静的ダイナミズムを最大限活用することである。
★  体の特性として、素材や形はその動きに特化するため、他の動作への対応という柔軟性/可変性は持てないという制約がある。しかし、すべてを頭でコントロールするのではなく、体の特性を通して一つのことを実現できるようになる。

★  “コントロール”を再考することが重要である。頭で何もかも制御するのではなく、体の動きに委ねること、委ねられる体を開発することも大切である。


20133月に発表された新型ヒューマノイド「Roboy」プロジェクトの紹介もありました。おばあちゃんと散歩に行ったりする日常生活のパートナーになるロボットを目標として開発されました。表情が豊かで、ちょっと顔が赤くなったりするんですよ。


様々に違うロボットの映像はおもしろい!ロボットたちの違いから考える知能やコントロールをどう具現化するか、身体知のお話はとても刺激的でした。



次にワールドカフェ方式でディスカッションを行いました。今回の参加者は年代も職種もさまざま。人事コンサルタント、カーデザイナー、研修講師などいろいろな経験や知見を通したディスカッションとなりました。

身体知によってイノベーションを生み出すには?というテーマでは、ファイファー教授から勉強になる意見がありましたので、紹介します。


☆  イノベーティブなアイディアは、Serendipity(幸運なる出会い、発見)によって生まれる。意図していないところで突然、すばらしいアイディアに出会うこともある。方法論ではなく、その幸運な出会いに気づける環境作りを意識することが重要。

☆  “Yes, AND”(そうだね、そして)の法則が大切である。つい ”Yes, BUT”(そうだね、しかし)と不足している点などを指摘しがちだが、現実的に見るタイミングは他にもあるので、発想を広げるためには  ”Yes, AND” で広げて行くことが大切。


身体認知科学という理系なお話から始まりましたが、意思決定や権限委譲、管理スパンなどの組織論、また発想力を高める労働環境の考え方まで、多くの刺激と示唆に富んだダイアログでした。


ファイファー教授、参加いただいた方々、ありがとうございました。




ご参考:Roboyの動画です!







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